日本の民泊について考える

先日、知り合いの外国人友達が5人ぐらい日本に遊びに来てました。昼間は観光したり夜は飲みに行ったりクラブ行ったりで、日本を満喫して帰っていきました。

ある日彼らと飲んでいるときに「ところでどこに泊まっているの?」と何気なく聞くと、「エアビーアンドビー(Airbnb)で予約した部屋」との回答。自分の頭の中では「???」。「あれ!?福岡で予約出来る部屋ってもうあるんだっけ?」と。   f:id:keyma0302:20160221002133j:plain

 

●エアビーアンドビー(Airbnb)とは!?

ところでみなさんエアビーアンドビー(Airbnb)ってご存知ですか?実はこの会社は米国サンフランシスコに本社を置く世界最大手の民泊の予約斡旋サイトなんです。2008年創業なんですが、時価総額が255億ドル(2015年6月WSJ記事より)日本円で3兆円を超える企業価値がある企業と言われていて、いわゆるユニコーン起業の筆頭なんですね。(実際にはウーバー/Uberというこちらは5兆円以上の企業価値があると言われるユニコーンもいるのですが、Uberについては次回に回します。) ちなみに3兆円の企業価値といえば、あの高級ホテルのマリオットグループ(130億ドル/1.5兆円)を既に上回っていて、登録されている部屋数は200万室、累計利用者数は6000万人と言われています。  

 先ほど福岡市で検索したところ248件の部屋が出ていました。(2016年2月20日時点) 正直驚きです。正確にいつだったか覚えていないのですが、以前興味本位で検索掛けたときにはまだ福岡で利用出来る部屋はゼロでした。それが半年か1年そこらで着実に広まっていて、実際に身近な人が利用したということで驚きも2倍です。(実はその外国人達が予約した部屋を見せてもらったんですが、博多駅から10分も掛からない場所にあるURの一室でした。2LDKの部屋でしたが、リビングも一室としてベッドを置いて利用していたので、グループでの宿泊も余裕な感じでした。) 

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⚫︎日本の法律がイノベーションの邪魔をする

ここ福岡では観光客の増加やそもそもホテルの数も多くない状況もあって、有名アーティストのコンサートがあるときはホテルの予約が取れずにビジネス客にまで影響が出ている状況なんです。昨年のAKB総選挙やジャニーズの嵐などのコンサートがあったときにはホント悲惨な状態でした。

行政もそういった状況はもちろん把握しているので、昨年末の嵐のコンサートに合わせて福岡市が民泊の募集を行う取り組みも行ったのですが、厳しい基準を満たせる部屋自体あまりなかったのが現状なんです。今回のような取り組みは初めてということもあって色々な課題も見えただろうと思いますが、今後もこういった取り組みは積極的にやって欲しいと思います。(高島市長ガンバレー!)

東京を見てみると、全国で初めて大田区での民泊が認められるというニュースをみましたが、エアビーアンドビーのサイト内で東京での登録部屋数は何と1万を越え(2016年1月現在)、世界的に見ても急成長している国なんです。(福岡以上にホテル不足が深刻なんでしょうね。) ただし、法律の観点から見れば正直グレーゾーンですよね。。

 日本では旅館業法という法律があり、部屋の広さなど一定の条件を満たさなければ旅館やホテルなどを営むことは出来ないんです。ただ、この法律って随分前に公布された法律で、その後改定はされていると思いますが、必ずしも現在の状況を正しく捉えている法律ではないんです。そういったこともあり、旅館業法の見直しが議論され始めているのですが、時代遅れのビジネスモデルを守るのではなく、イノベーションを柔軟に受け入れられるような法改正をお願いしたいです。かつての携帯電話など日本独自のガラパゴス化は、これからのグローバル社会の中ではマイナスでしかないと思う。是非、良識のある法改正を願います!!(規制強化なんて論外ですよ!)

昨年、日本の総理大臣として初めてシリコンバレーを訪問し、日本との架け橋を作っていくという談話を発表していたと思うけど、是非有言実行でお願いしたいですね。 2020年に東京オリンピックもありますし、今のままでは確実にホテル不足が予想されているので、民泊を正しく積極的に活用することで、受入側である日本としても、さまざまな国からの観光客にとってもメリットのあるやり方にすべきと考えます。